ドイツでは１８８８年以降スタンダードマークが「三日月と王冠」に統一されています
純度を表す「８００」という数字が同時に押されている場合も多く、時折「９２５」という数字も見られます
具体例を挙げて説明してみましょう

①が三日月と王冠、②が純度を表す「８００」、③がメーカーマークです
④は販売元のお店の刻印で、他の国の刻印にはあまり見られません
フランスの「メゾン・モデルヌ」くらいでしょうか
①～④の並び順もこの限りではありません

ドイツの場合、輸出刻印・輸入刻印がありませんから、輸入品については気をつけなければいけません
自国で作られた製品でなくとも、がんがん「三日月と王冠」のマークを押してしまうんです
ですから、メーカーマークを見て、それがどこのどういうメーカーなのかをきちんと把握してからでないと
ドイツ製とは断定できません
たとえば、ベルギーのWolfers Frèreの製品についてですが
当時のベルギーにはスタンダードマークやメーカーマークを押す義務がなく
しかも、ドイツのGoldshmdt商会と姻戚関係にありましたから
Goldshmidt商会を通じて販売された品物にはすべて「三日月と王冠」の刻印が押されています
幸いWolfers Frèreの場合には「三角に星３つ」というメーカーマークがあるので
ドイツのホールマークが押されていてもベルギー製だとわかるわけです