舟に人物紋向付

江戸中期に作られた向付です
金直しが2カ所ありますし
若干図柄も滲んでいるのですが
それを補ってあまりある魅力にあふれた
名品だと言えます
帆掛け船の帆をかけようとしている
図柄自体が非常に珍しいですし
人物達も生き生きとしています

古伊万里で描かれた人物は
デフォルメされているものや
描写が狂いがちなものがほとんどで
それが作品の魅力を損なっていることが
多々あるのですが
この向付では 小品であるにもかかわらず
人物の描写が非常に正確です
しかも 躍動感に溢れている
帆をかける男達の
かけ声が聞こえてきそうです