Desert Knives

Maker : Roussel-Doutre
Year : 1865-1911

(20.5cm)

大変珍しいアールヌーボー期のデザートナイフで
6本セットで出てきました
以前ご紹介したスプーンとフォークのセット(Page3下段右端)と同じ
カーネーションの図柄ですが
メーカーマークはそれよりも古いものが用いられています
このナイフが素晴らしいのは刃まで銀製であること
刃の部分にもしっかりとミネルバの刻印が押されています
しかも一切刃こぼれがない素晴らしいコンディションです
この時代のフルーツナイフの刃には鋳鉄を用いるのが普通で
銀の刃を用いるているのはかなりの高級品と言えます
PuiforcaやCardeilhacといった超一流のメーカーの品には
銀製の刃を使ったナイフが見受けられますが
Rouseel-Doutreのような小規模の工房では珍しいことです
それだけこの工房の製品の質が高かったということでしょう
実際 非常に作りがしっかりしています
たとえば ナイフの場合は刃と柄を別々に作り後から蝋付けしますが
小工房の品ですと若干蝋付けや刃の向きがずれていることがあります
ところがこのナイフにはそういうずれが一切ない
小規模とはいえメッキ製品は一切作らず
純銀の製品にこだわっていた工房の心意気が感じられる品です