何を隠そう、私は中学・高校とバスケ少年でございました。高校の時には2年続けてこっそりとインターハイに出場しております。レギュラーではなかったので、あくまでこっそり、です(笑)。


高校2年の時に、顧問の先生からこんなことを言われました。
「お尻のでかい1年生をスカウトしてこい!」


・・・何でも、お尻のでかい人は下半身が強くてボディバランスに優れているのだとか。当時、非常に素直だった私は(ぷぷっ)、毎日のように「お尻のでかい1年生」を探しておりました。男子校でしたから、今考えてみるとけっこう怖いものがあります。下級生のお尻をじっと見つめる上級生(爆笑)。


正直に言いますと、未だにその癖が抜けきれておりません(爆笑)。バスケとはほとんど縁のない生活を送っていながら、お尻のでかい男性を見ると「お! バスケ向き!」と思ったりしています。ただ、以前と違うのは、最初はお尻に目がいっても、最終的に目がいくのは「背中」であるということです。男性だけではなく、女性の背中にも目がいくようになりました。

                     

「背中」って怖いなぁと、つくづく思います。


「背中」は決して自分では見ることができない。だから、どうしても無防備になってしまう。無防備だから、その人の「無意識」が知らず知らずのうちに滲み出てしまう。また、どんなにオシャレをしていても、「背中」にまで意識が行き渡っていないと格好悪く見えてしまう。


私は趣味でお芝居をやっています。アマチュアの私が言うのもなんですが、演技をする上で難しいなぁと思うのが「立つこと」と「歩くこと」です。これは本当に難しい。全身を意識していないと、それも一つ一つのパーツをしっかり感じていないと、できないことだからです。


中でもおろそかになりがちなのが「背中」。舞台に立つときには、360度どこから見られても観せられるように意識しなければなりません。それだけの集中をしないと、どうしても「自分の素」が見えてきてしまう。舞台袖に引っ込むときにも、客席から完全に見えなくなるところにたどり着くまで集中を続けます。集中がとぎれた瞬間、背中を見ているお客さまに「素に戻った」と気づかれてしまうからです。


「背中」にはそれほど「人となり」が表れてしまう。


「自分」という人間に責任を持つためにも、普段から「背中」には注意を払わなければ。日頃からそんなことを考えながら、私は毎日を過ごしています。常に自分の「背中」に責任が取れる人間でありたい。私はそう思っています。

                               


左はLaliqueのクラバット・ピン
後ろ姿が本当に格好いい!
右はCheretのクラバット・ピン
顔の表情だけでなく
背中からも楽しさが伝わってきます

背中