今回は「たばこ税5円引き上げ」に真っ向から勝負を挑むようなタイトルでございます(笑)


先日入手したライターですが、これが非常に使い勝手がよろしい。デザインが美しいことはもちろん、風にも強いし火も安定しているし、何よりシルバー製ということで手触りが大変に心地よい。寒い日ですと、オイルが揮発しないためになかなか火がつかないことがあるんですが、その点、このライターはシルバー製ですから、ちょっと手に持っていればすぐに火がつくようになります。


以前は私もZIPPOを愛用していました。けれども、途中でイヤになってしまったんですね。ZIPPOは、使用する上で案外ストレスがたまるんです。特に私がストレスを感じたのがケースの弱さ。薄い金属板でできているうえ、ヒンジの部分(ケースの上下をつなぐ部分)が弱い。ですからちょっとしたことでケースもヒンジもすぐに歪んでしまうんですね。そうすると、蓋がゆるくなったりうまく閉まらなくなったりしてしまう。これ、意外にストレスがたまります。


ZIPPOのケースはそれだけでは蓋が閉まりません。インサイドユニット(中身のこと)があって初めて蓋が閉まるように作られているんです。その点、わが愛しのライター嬢は、元来がマッチケースとして作られていますから、インサイドユニットが有ろうがなかろうがしっかりと蓋が閉まります。銀板も厚くできていますから、ちょっとやそっとのことでは歪みません。

                           

ワンハンドで着火できるタイプのライターが発明されたのが1918年。オーストリアのIMCO社が最初です(当時のモデルがそのまま現在でも発売されている、ZIPPOよりも長い歴史を誇る老舗です)。したがって、アールヌーボー期のフランスにはワンハンド式のライターは存在しませんでした。ライター自体は存在していましたが、着火するまでにねじ式の蓋を開けなければならないというやっかいな代物でした。


しかしながら、マッチケースに関しては非常に優れたものが数多く作られていました。質・デザインともに世界のトップだったと言っても過言ではないと思います。このマッチケース、システムこそ違いますが、ZIPPO同様にワンハンドで開閉できます。そこに目をつけてインサイドユニットを考えた人の発想が本当にすばらしい。開閉のシステム上必要な板が動く分だけくぼませる・・・たったこれだけのことかもしれませんが、ガチガチに固まった頭からは生まれてこない発想です。現に、私には想像もつきませんでした・・・。


というわけで、このライターを使いつつ「頭はあくまで柔らかく!」と己を戒めている今日この頃です(笑)。



ライター