アンティーク・ジュエリーケース

何を隠そう,、私はアンティーク・ジュエリーケースのコレクターでもあったりします。

もちろん自分の所持品を収めるのが目的ですから、クラバット・ピン、カフリンクス、ラペルウォッチ、ブローチのケースに限っています。アンティーク・ジュエリーが新品のケースに収まっていると、どうしても居心地が悪そうに感じてしまうんですね。どうせならケースも見つけてやれと思い立ったわけです。


ところがですね、ないんですよ、これが。びっくりするくらい、ない。まあ、ケースだけ仕入れて来ようなどという酔狂な業者さんなどそうそういるはずもありませんので、仕方がないと言えば仕方がないんですが。10年近く探し続けて、ようやく20個に届くかどうかといったところです。そのうち半数以上が同じ業者さんから購入したもの。いたんですね、酔狂な業者さんが(笑)。


ヨーロッパではアンティーク・ジュエリーケースはかなり需要が高く、それだけで結構な売り物になるそうです。特にアンティーク・ジュエリーを扱う業者さんがよく購入するそうで、なんでもアンティークのケースに入れてディスプレイしておいた方が品物が売れるのだとか。それだけ「アンティーク・ジュエリーにはアンティークのケースがふさわしい」と思っている人が多いのかもしれませんね。


右上と左上の写真は私の所持品の一部です。一番のお気に入りは濃紺のクラバット・ピン用のケース(写真右下)。蓋を開けるボタンの部分にマザー・オブ・パールを使っている、ちょっと贅沢なケースです。それと、左上の写真の手前右端に写っているラペルウォッチ用のケース。渋いえんじ色が本当にきれいです。


左中央と左下の写真は珍しくオリジナル・ケース入りで入手したジュエリーとメダルです。オリジナル・ケースに入っていると、それだけで付加価値が着いてしまうので、購入する側としては大変可愛くない(笑)。


アンティーク・ジュエリーケースの魅力はやはり蓋を開けたときの美しさにあると思います。ベルベットや革の色目の美しさ。それだけで十分美しいのに、決して主張は強くなく、ジュエリーをしっかり引き立てます。控えめな美しさとでも言ったらいいのでしょうか。「控えめ」かぁ・・・私とはずいぶん縁遠い言葉だな・・・(笑)。もしかしたら縁遠いからこそ惹かれるのかもしれせん。人間、自分にないものに惹かれるといいますからね(笑)。